恋活が実ったあかつきには結婚もしたいと思ってるんだけど、その後出来れば子供は欲しくないかな…
それってワガママなのかな?
で、なんで(子供が)欲しくないの??
妊娠したら妻は不機嫌ぎみになるし、
産まれたら産まれたでてんてこ舞いになるし、
子供はどうしても母親寄りになるし、
少なくとも父親にとっちゃメリットが小さいと思うんだよ。
確かに、そんなケースも少なくないね。
私の知り合いなんかも悲惨だったしね…
自分になついてくれるんだったら良いんだけど、そうならなかったら父親は家庭内でアウェーになっちゃうし…
あ~
そう考えたら、ますます子供は欲しくなくなるよ…
子供が父親になついて心を開いてくれるかどうかが、子供を持った後に男性が幸せになれるか否か決まるといっても過言じゃないね。
で、そのためには子供のある特性を理解して、そこをくすぐってあげることがポイントなんだよ。
それで、その”あること”は我々発達障がい者(ASD)が得意としている場合が多いんだよ。
”あること”って何?
子供は小さなことを覚えている
人間、大人になるにつれて、楽しみや喜びを感じる基準が上がってきます。
一番分かりやすい例でいくと、オカネの価値観ですね。
子供にとって100円は大金。
お菓子やトレカなど、駄菓子屋さんで大半のものが手に入る喜びは子供時代の醍醐味でした。
だけど、大人にとっちゃ100円なんてはした金ですから、買い物をしてお釣りとしてもらっても募金箱にポイっと捨てるように手放す人もいるくらいです。
もちろんこのことは、オカネに限った話ではありません。
あなたにも少し昔を思い出してみて欲しいのですが、親御さんから、
- プラモデル作ろう
- キャッチボールしよう
- おままごとしよう
- 絵本読んであげよう
- 近所を散歩しよう
こういうことを言われた時、当時のあなたにとっては胸が膨らむほどの一大イベントではなかったでしょうか??
私も、自宅から歩いて10分程度のところにある見慣れた公園でも連れていってもらえると楽しかったもので、少し足を伸ばしてみようか!ってなったときなんかは、まるで遊園地へ行くかのような気分でした^^)
だから、親から『今度の土日は~』って言われたらそれが子供の頭に強く刻まれ、当日まで絶対に忘れることはありませんでした。
だけど、大人の私たちにしてみればそれらは楽しみの小さいこと。それどころかむしろ、子供中心のイベントだから仕事疲れのたまの休日が奪われる辛さが伴います。
ゆえに、子供と約束しても頭に残りにくく、色々別の用事をしているうちについ忘れてしまうんですよね…
これが【子供は小さなことをも覚えている】の正体で、子供との大人との温度差とも言えます。
言わずもがな、その約束を忘れると子供は落胆します。
そのときに子供が、
と訴えてくるならそこで気付けるのですが、聞き分けの良い子供は親のことを気遣って何も言わないこともあります。
そして、何も言われなければ大人は気付くことはないし、何の問題もないと勘違いしてしまうことになります。
そして、そういうことが積み重なると、子供との信頼関係にヒビが入ることは言うまでもありませんね。
小さな約束ってこんなケースがある
じゃあ、大人たちが忘れがちな小さな約束って、一体どんなことがあるのか??
杉間馬男がこれまでの子育ての中で気付いたことを実例で紹介しましょう。
歯磨きが終わったら折り紙折ってあげる
杉間家では、平日は私が帰宅して食事などの用事を一通り済ませてから息子が寝るまでの数十分は息子とのふれあいの時間にしています。
ある日その時に息子が
と頼んできました。
私は『いいよ!』と言いましたが、ご飯の後は歯磨きをする習慣付けをしていて息子はその時出来ていなかったため、『歯磨きが終わってから!』と言い聞かせました。
しかし、歯磨きが終わるや否や今度は妻のほうから『片付けしてトイレに行きなさい!』と、息子には矢継ぎ早に課題が課せられ、しまいには『もう時間だから寝なさい』と言われて寝室へ行かされようとしていました。
息子は妻に言われるまま寝室へ行こうとしましたが、
今から作ってあげるけど、遊ぶのは明日だよ。
と、2人で約束したことを忘れず実行し、息子も納得した表情でした。
お気に入りの商業施設のからくり時計の動画見せて
私の妻の実家は隣の県にあって、クルマで1.5時間ほど走ったところにあります。
妻の実家はターミナル駅のそばで、その駅もそこそこの規模で3階建ての商業施設が隣接しています。
私たち一家はGW、お盆、年末年始などの長期休暇になるとほぼ必ず帰省していて、その商業施設にも立ち寄ります。
そして、そこの1階の広場には子供が喜ぶからくり時計があって、毎時ちょうどの時刻になると時計から人形が出てきて音楽とともに踊り出す仕組みになっています。
その音楽も季節ごとにバリエーションがあって、息子がその仕組みに気づいてからは、
と、どんなパターンかあるのか気になる様子。
そして、それ以前から暇があってはYouTubeなどの動画を見せたりしていたこともあり、
と聞いてきたことがありました。
その時はバタバタしていたので、適当に『分かった。分かった。』とあしらうような返事でごまかしましたが、数時間後落ち着いた頃に、
と声をかけて見せてあげました。
息子も少し忘れかけていたような様子でしたが、すぐに自分が見たかったことを思い出し、動画を楽しんでいました。
後で公園連れてってあげる
これはある時に軽い口約束程度に放った言葉で、もちろん息子はそれを真に受けていました。
この『あとで』って言葉は大人にとっちゃすごく便利なんですよね^^
公園へ行くことは必然的に『あと』になるワケだから嘘をついたことにはならないし、具体的な時間を言ってもないから約束を果たすのはいつでも良い。
だからついつい引っ張りすぎて約束が自然消滅してしまう。。
それが1度や2度であれば目をつむってくれますが、何度もそんな調子だと、
と、悪い風に学習させてしまうことになります。
だから、『あとで』は便利な一方で責任も重い!
その時の私はそうなることを知っていたので、子供には伝えないまでも自分の中では『○時までには用事を済ませて連れていってやろう』と決めておき、言葉通り公園へ連れていってやりました。
大人になると社交辞令を覚えるゆえ、これらのことは軽率にしがちですぐに忘れてしまいます。
しかし、子供に社交辞令は通じません!
純真無垢ゆえに言葉を真に受けますから、自分が言ったことや子供が頼んでOKしたことを果たせなかったことが積み重なると、
と思われ、気持ちが離れていってしまいます。
そうなると当然、信頼関係の芽をも摘み取ってしまいかねませんね。
大人でもASDは細かいことが記憶に残りがち!
さて、今回の記事タイトルにも書いた通り、ASDはその特性上小さなこともよく覚えていることが多い、という話ですが、あなたにも思い当たる節はあるでしょうか??
私もよく、『○時になったら△△する』という第三者が言ったことを覚えていて、それらがその通り実行されなかったときに、
と、頭の中でこっそりその人を減点しています(爆)
だから、あまりに言ったことが実行されないような時は我慢できずに口に出すこともありますが、そんな時にひどい人なんかは
と逆ギレしてくることもあります。
それぐらい自分は細かいことをよく覚えているってことなんですが、こと子供との約束の話になるとプラスに働きます。
規則通り・杓子定規というのもASDの特徴の一つであって大人には煙たがられがちですが、同様に細かいことが目につく子供には絶大な信頼関係を築ける起爆剤になりうるでしょう。
約束を守った結果
杉間馬男の父親は風呂屋!
言うだけ(→ゆうだけ→湯だけ)から家庭内でそんな異名がついたわけですが、それほど幼少期には父親の有言不実行ぶりに泣かされ続けていました。
だから、小学校高学年ぐらいにもなったら、父親が何か宣言しても、
ってな感じに真剣には取り合わないようになっていました。
先ほどまでの話は、そんな父の姿を反面教師にしたのもあるのかも知れません。
私は有言不実行な父親に対しては冷淡でした。
それと同じ態度で息子が私に接してきたら、やっぱり悲しくなりますしね。
子供が相手だからこそ、自分の言葉には責任を持ち、出来ない約束は交わさない。
息子が産まれたとき以来気を付けていたことなので、少なくとも不信感は持たれていないし、むしろ今では妻よりも私のほうになついていると感じるぐらいになっています。
夜の寝かしつけのときも、
と言ってくるぐらいですし、休日に出掛けたときなんかは妻よりも私の手を引いて連れ回そうとしてくるぐらいです(自慢!)
あくまで自分ができる範囲で!
ここまでの話で、『何だか大変そう…』と思ったかも知れませんね。
生真面目な方は自分をがんじがらめにしてしまうでしょう。
しかし、それでは何でも子供の言いなりになってしまうので、それはそれで別の問題につながります。
あくまで、自分がした口約束は果たせというだけであって、そもそも出来ないこと、自分のキャパを超えたこと、ワガママ防止のために自制させなきゃいけないことは、ちゃんとNOを伝えるべきなのです。
NOを伝えたことが原因で信頼関係に亀裂が入ることなんてありえません。
それが怖くてNOを伝えられずに出来ないことを生返事で先送りにしてしまう、というのが一番良くないんです。
ただ、そうは言っても【NOの伝え方】には気を付けないといけないワケですが、出来ないことは出来ないとはっきり言う傍ら、決して突き放すことはしません。
極端な話、子供が数十万円もする高額なものをせびってきた時、大半は『あんた、何言ってるの!?』と一喝しがちです。
当然、そういう子供の要求は常識の範囲を越えていますが、それを突き放すだけでなく、一旦その子の気持ちを受け止めます。
例えば、
- そうだね。それがあったら楽しいよね。
- それを買って何がしたい?→子供に合わせて話を広げる。
などの声かけです。
その上で、
だから、うちではちょっと買えないなぁ…
と断ります。
話し方のノウハウでは【イエス・バット法】とも言われていて、一旦相手の気持ちを受け止めた上で出来ないことを伝えると相手からの理解を得やすい、というカラクリなんです。
オカネの問題以外にも、時間が遅いとか、自分が疲れているなどの理由にも応用できます。
馬男のここだけ押さえて
子供は大人が言った些細なことを覚えていて、それが悉く実現されないとウソつきの烙印を押されて信頼関係は崩れていきます。
そうなったら子供は親になつかず、心の距離がどんどん開く一方。
しかし、ASD(自閉症スペクトラム障がい)の人は杓子定規になりがちで、それゆえ小さなこともよく覚えている場合が多いのです。
つまりそれは、子供に目線が合いやすいということ。
実は、子供との信頼関係の構築も、【子供に目線を合わせること】がポイントなのです。
特に、子供がどんなことに喜びや楽しみを感じるのかを知ること。
例えば、
は、大人にはくだらなくても、子供にとっては夢が膨らむぐらいのことだから、何日経っても覚えています。
『この子にとっては楽しみなんだな。』
と、心底その子の気持ちになることがカギ。
そうすると、子供との約束を忘れにくくなるワケですが、ASDは特性上それが苦になりにくい。
これは、我々の才能とも言えるべきことですから、子育てに大いに活用していきたいですね。