カサンドラ症候群って聞いたことある?
夫がASDだったら妻がそうなっちゃうってヤツで、離婚原因にもなってるらしいよね。
私もASDだと診断されて色々調べてたらそういうことが書いてあって、その時すでに結婚してたからうちもそうならないかって心配したもんだよ。
ASDっていったらモロに僕らのことだし…
僕たちASDが結婚しても、カサンドラと無縁になる方法があるってこと?
そのためには普段の心がけがカギで、幸いにも私はその大部分を無意識にやってたんだよ。
何が勝因だったのか、余すことなく話そう!
カサンドラ症候群ってこんなのだ!
今この記事を読んでいるあなたは、カサンドラ症候群のことはある程度ご存知かと思います。
だからあえて説明する必要もないと思いますが、私なりの解釈を言うなら、
まぁ、そのへんの文献に書かれてることの受け売りがほとんどですわ(笑)
で、キーワードになるのが、【気持ちの共有】なんです。
他では【情緒的な交流】とかいう表現使ってたりしますが、結局は同じ意味。
- 楽しいことを同じように楽しいと思えること
- 嬉しいことを同じように嬉しく感じること
- こういうことはダメなんだと互いに知ってること
- 違う想いを持っていても、それらを遠慮なくぶつけ合えること
カサンドラになっちゃう奥さんって、こういうことができずに気持ちに溜め込んでしまった結果、参ってしまうんです。
ちなみに、ケンカとカサンドラはほぼ無関係です。
私も”離婚”という言葉を介してこの2つが繋がりかけてしまってたので、念のため(汗
確かに、ケンカでも修復不可能になるパターンもありますよね。
それこそDVに発展したり、人格を否定したりとかになるんだけれど、それはカサンドラとは無関係なことが多いです。
そんなひどいケンカも含めて夫婦ゲンカはマイナスに捉えられがちなんですが、ケンカするほど仲が良いって言いますし、ある程度のケンカは必要です。
それもあながち都市伝説でもなくて、ケンカもある種の【情緒的な交流】になります。
よく考えればそう思いますよね?
だから、カサンドラになる・ならないはケンカとは無関係だし、むしろ、ケンカすることがお互いを深く知るキッカケになりうるから、カサンドラにはなりにくいと考えています。
まぁ、だからと言ってケンカばかりしててもそれはそれでダメだからほどほどにってことで(^^;
それで、私たちASDはコミュニケーション、特に気持ちの通ったコミュニケーションがすごーく苦手なんです。
「そういう人が多い」って言い方が適切ですが。
だから、会話しててもどこか報連相ぽく無機質になりがちだし、そこに感情が入ってないから話に花が咲きにくい…
そういや、話し方教室でも『会話は噛み合ってるけど、感情がない』とか言われてました。。
(参考)話し方教室体験談
当時は話し方教室で言われたことも気を付けるようにしていましたが、アスペルガー(自閉症スペクトラム・ASD)って診断されてからは、
って割りきれたんです。
そこは良いんだけど、問題はカサンドラ。
私がASDで感情のやりとりが苦手だから、妻がカサンドラになっちゃわないか?
初めてカサンドラって言葉聞いたときはちょっと怖くなりましたね。。
加えて、女性は感情を重んじる生き物だから、感情が通わないことがストレスになりやすくてカサンドラになってしまいやすい。
考えてみれば、夫のほうがカサンドラになったケースは聞いたことがありません。
だから、ASD持ちの私たちはパートナーができたら気を付けてあげなきゃいけない。
さなくば、妻のほうが限界きて三行半突きつけられた…
なんてことにも。。
怖いですよね。。
カサンドラ症候群が原因で離婚に至ったケースはどのくらい?
って風に見出しには書きましたが、実はピンポイントでカサンドラが原因で~ってデータはありませんでした。
だから、関係するデータを引っ張ってきましたが、まず、発達障がい者はそれが分かった後4人に1人が離婚してる事実がありました。
(参考)統計に関する詳しい説明はコチラ(外部リンク)
あくまでこの統計は、『発達障がいが分かったのちに離婚した』って事実を集めただけに過ぎないから、カサンドラにさせられたことが原因なのか?そもそも発達障がい者だと分かったから離婚したのか?はたまた全然関係ない理由なのか?まではハッキリしていません。
しかし令和初期の今、日本国内全体の離婚率を見ると35%ぐらい。
つまり3人に1人です。
しかも、その7割以上が女性(妻)からの申し出によるものなのです。
少し話が散らかりましたが、結局は何が言いたかったのか?
昔は女性の社会進出がしにくかったこともあって、人並みに生きていくためには男性の力が欠かせなかったのですが、今や女性も男性に劣らないほど稼げるようになったこともあり、離婚に対するハードルもグンと下がったわけ。
つまり、女性にしてみりゃ、
って感じでしょう。
本当にそんな考えなのかは分かりませんが、女性が強気になってきているのは間違いありません。
だから、男性側に気に入らない点があると簡単に【離婚】の2文字を匂わせられるような時代だってことなんです。
てことは、ASDと診断された私たちが結婚すると余計にそうなる可能性が高いってことを意味してるんだと思います…
実に怖い話ですよね。。
私たち発達障がい者はこういうトコでもハンデになるから、運命を恨むしかありません。
って嘆いてても何も解決しない。
最初のほうで、自分はカサンドラとは無縁だ!って豪語しましたが、それはやっぱり”やることをやってるから”なのです。
その”やること”をこれから紹介します!
発達障がい者(ASD)が離婚に至らないためにはどうする?
杉間家は今や結婚9年目に突入!
だけど妻は未だにカサンドラに陥る様子がありません。
って言い方はまるでカサンドラになることを待っているような言い方に聞こえますが、決してそうじゃありませんよ。
なったら困りますからね…(汗
でもかといって、必死でカサンドラと無縁になるように努力したかっていったらそれも違ってて、自分の無意識の行動がたまたま良かったのでした。
まぁ、意識してる部分もありましたが、大半は無意識でやってたこと。
って声が聞こえてきそうなので、ここらでチャッチャと紹介しましょう!
ポイントは全部で5つあるので一つずつ見ていきますね。
予め自分の取説を作らせる
産まれながらに短気な私は、妻と付き合っていた頃から『もし結婚したら、この性格のせいで上手くいかなくなるのでは?』って考えていました。
妻はたまたまSっ気が強い女性だから私のほうがカチンとさせられただけでしたが、妻(彼女)の前では喜怒哀楽に正直になれた。というより、ならざるを得なかったんです。
いつも些細なことや、妻にとっては謎多き所でキレて、付き合って結婚を意識し始めた頃からそんな風にマイナス感情を出していたことで、自分の”スイッチ”がどこにあるのか知らず知らず把握させられていました。
当時はそういう短気な性格に悩んでいましたが、今思えば、自分の喜怒哀楽に正直になったことも良かったと思っています。
もし、変に我慢でもしてたら後になってすごい爆発力になって取り返しのつかないことになってたと思うので。
杉間馬男独特の感情表現
私って、昔っから素直じゃないし感情表現もすごく苦手。。
それはやっぱりASDのせいなんだと思って間違いないでしょう。
従兄弟からも
と言われてたぐらい。
褒めてるのかどうか微妙な言葉でしたが。
とにかく、それほど幼い頃から感情を表に出してこなかったんだなって改めて感じました。
だけれど、そんな私でもさすがにロボットみたいにはなれない。
あくまで感情を出さないのであって、決して持ってないワケじゃなかったから。
それで、私も一応は人間だから四六時中何らかの感情は持ってて、時にそれを吐き出したい気持ちはありました。
話は飛びますが、私、大のイヌ好きなんです。
キッカケは何だったか分からないし、むしろ保育園児の頃はイヌが怖くて近づけなかったほど。
それが今や、ちょっとマニアックな犬種を知るまでに発展したんだけれど、そもそもイヌのどんな所が好きか?っていったら、
- ふわふわモコモコしてるところ
- 垂れ耳
これだと犬種が絞られるんですが(汗、街なかやテレビ・動画とかで見かけたら、
って思うわけです。
もはやそれはイヌだけじゃなくて、パンダやウサギとかとにかくモコモコした動物を見たらそう思うようになっていました。
で、その気持ちをどうにか表現したくなって、初めは
ぐらいに留めてたんですが、今や、
など、外部の人が聞いたらヒクだろうことを言ったりしています。
合わせて私は、イヌの鳴きマネや仕草で嬉しさを表現してて、妻から晩ご飯のメニューを聞いてそれが好物だったら、
と、身体で嬉しさを表現しています。
こんなLINEスタンプみたく。
これってハッキリ言って照れ隠しだけれど、それで喜怒哀楽(喜と楽)が伝わっているし、妻も私のそういうやり方をマネているほどだから、形はどうあれそうやって【情緒的な交流】がなされていると考えています。
子供にキューピッドになってもらう
これはなんだか、子供を利用しているような気がして引っ掛かりますが、子供って頭がプレーンな状態だから、こっちが何を言ってもバカにしたりドン引きしたりしないですよね?
だから私も子供にはより素直になれるわけで、その素直な気持ちを一旦子供を介して妻へ伝えているんです。
で、子供にどんなことを話してるか?っていうと、すごーくマイナーな有名人や会社の同僚でキャラの濃い奴のモノマネをして、最初に2人だけで笑い合っています。
そして、
と食いついてきた妻が私たちに混ざって私がモノマネの経緯を説明すると、『くだらないわね(笑)』と言いながらも一緒になって楽しみ、妻も息子に吹っ掛けて笑わせたりしています。
こういう訳の分からないことでも、子供を間にかませると心理的ブレーキを外せるので心の底から思ったように楽しめ、それが妻にも伝わるんです。
同じ趣味を楽しむ
これはもはやベタですよね。
ベタなんだけれど、私の場合は付き合ったり結婚する時に趣味のことまでは考えていませんでした。
ちなみに、私たち夫婦の共通の趣味はポタリング。
ママチャリで街ブラしています。
初めて片道1時間程度のポタリングをしたとき、妻が意外と楽しそうな様子だったので、それ以後晴れた休日を使ってはどこか遠くに足を伸ばし、それが定着して今では共通の趣味になったとさ。チャンチャン!
とにかく、一緒に楽しめるものがあるのは夫婦生活を送る上でかなり大きいモンだと感じました。
ASDは感情が相手に伝わりにくいから、何に興味があるのか?何をしたら機嫌を損ねるのか?そういう素の思いを相手と共有することが困難なことが多いです。
↑↑このことはかなりしつこく話してしまっていますが、相手にとっては地味にしんどいことで、それが行き過ぎるとカサンドラに陥るワケです。
それで、こんな風に一日中夫婦で楽しめるものがあると、それだけで感情(楽しさ)の共有ができるから、大きなアドバンテージになるってことを思い知りました。
話を聞くこと
最後に、唯一これだけ意識してやったこと。
それが、妻に
と思わせることでした。
話を聞くというのは、難しいことのようだけど意外とそうでもない。
でもやっぱり難しい面もある、というように私たちを悩ませるタネになっているんです。
ただ、話を聞くといっても、話を聞いた結果相手がどうなるのか?そもそも相手は何を期待してるのか?によってレベルが全然異なり、難しさも変わってくる。
なので、結局はどこまでケアしたら良いのか?ってことになるんですが、今回お伝えするのはあくまで簡単なこと。
悪い言い方をすれば、小手先のテクニックのようなことです。
じゃあ、どんなことをしていけば良いのか?
それはズバリ、
- 相手の言ったことを繰り返す
- 相手の言葉を使う
ことです。
どうでしょ??
これなら余裕じゃないですか?
ここで、次の2パターンのやりとりを見てみることにしよう!
{パターンA}
{パターンB}
非常に簡単な例で比べましたが、女性の立場を想像してみるとどちらが相手にとって「話を聞いてくれている!」と感じるか、一目瞭然ではないでしょうか?
この場合のポイントは、相手が言ったセリフは極力そのまま使うこと。
つまり、言葉を言い換えないことです。
具体的には、
- 「ヘアースタイル変えた」→「髪型変えた」
- 「頭に来る」→「ムカつく」
- 「想像する」→「イメージする」
とかですね。
例えあなたの言葉のほうが分かりやすかったり、広く一般的に使われている言葉であっても、相手が使った言葉をそのまま流用します。
相手の言葉をそのまま使うということは話を聞いていなきゃできませんから、キチンと相手の言葉に耳を傾けていた証拠になります。
ここは正しい言葉遣いを求めているのではなく、相手に話を聞いていると感じさせることが目的だから、そこは話の聞き方の方向性をシフトしましょう!
馬男のここだけ押さえて!
アスペルガー(ASD)が引き起こすと言われている、パートナーの【カサンドラ症候群】。
原因は、夫婦間で【情緒的な交流】ができないことでした。
感情表現が困難なASDにとっては結婚生活において死活問題です。
というわけで紹介した方法は、
- 予め自分の取説を作らせる
- 独特の感情表現
- 子供にキューピッドになってもらう
- 同じ趣味を楽しむ
- 話を聞くこと
の5つでした。
簡単にできることからやっていくと良いでしょう。