会話が苦手と感じている方のなかには、
- どうも相手とかみ合わない…
- 長年の知り合いでもイマイチ仲良くなれない人が多い…
- 相手の好きなことで話題を振ってもノッてきてくれない…
誰とでも割とすぐに仲良くなれる人もいるなかで、
『なんで、自分だけいつもこうなんだろう…』
と、落ち込んでいる人も意外と多いかも知れません。
その原因として、会話のテンポが合っていないことが可能性として考えられます。
テンポと聞くと、音楽の演奏スピードをイメージしますが、会話にも実はテンポというものがあって、いくら話の内容が興味深いことだとしても、テンポひとつでオジャンになることだってあります。
そして、日頃からコミュニケーションがうまく取れない人のことを”コミュ障”と言ったりしますが、その原因も、このテンポが合っていなくて周囲とかみ合わないパターンがあるのです。
そうなんです。
そこでこの記事では、
- 会話のテンポが合っていない原因のうち、コミュ障がやりがちなことを深掘り
- テンポを合わせるトレーニング法
をメインテーマにお伝えしようと思います。
この記事を読み終えた頃には、会話のテンポの合わせ方のイメージが明確になり、余計な心配も薄れてくると思います。
会話のテンポが合わないと大変なことに!
そもそも、会話のテンポとは?
そうです。
簡単に考えるなら速さのことですが、速さにも実は2種類あって、
- 話すスピードそのもの
- 話の展開のスピード
です。
例えば、あなたと相手が2人で話していて、相手の話すスピードが早すぎて聞き取れなかったり、逆にモタ~ッと話されてイライラしたりなどは、話すスピードでテンポが合っていないということですね。
一方、話の展開のほうは、簡単にいえば話についていけるか?です。
こういうのがズレていると、相手に話の面白さが伝わらないので絶対に何とかしたい部分ですね。
会話のテンポが合わないだけで、女性から”ナシ”宣告も!
異性どうし『相性が悪いなぁ…』と感じる時を調査した結果があって、いちばん多かったトップ2が”会話のテンポが合わなかったとき”で、実に6割以上の人がそう答えていました。
(出典:anan NEWS)
トップ2と言いましたが、1位の”気を遣う”と同率です。
やっぱり、話をしていて聞き取りづらかったり内容の理解に苦しんだりというのは、聞き手にとってはストレスになります。
そして、2人以上の人間が集まればほぼ絶対に会話しますから、話すたびにそんな調子だと、
と思われてしまうんですね。
会話のテンポが合わない時点で相性NGと判断されてしまうのは、チョットもったいないですよね。。
そこで、極論に聞こえてしまいますが、実際に遭った話です。
地元の飲み会イベントに参加したとき、そこにいた1人の男がマイペース、というより誰が見ても明らかにおかしい人がいたのです。
話すスピード自体は気にならなかったのですが、
- やたら自分の話に強引に寄せてくる。
- 話題の中でちょっとの共通点を見つけただけで握手を求めてくる。
- 終始ヘラヘラした表情で話している。
話すスピード以外の部分で全てにおいて周囲の雰囲気から浮いていました。
そんな調子だったので、私も含めて周りの人からは男女問わず失笑を買ってて、一度席替えがあったときにその男の近くに移動させられた人は揃ってイヤな顔をしていたのが分かるぐらいでした。
そして、2時間の会が終わって、それぞれ仲良くなった人同士(だいたい、男性⇒女性がほとんどですが)連絡先を交換しますが、その男が向かいの女性に『番号交換しませんか?』とお願いしました。
すると、相手の女性は、
『あ~、ごめんなさい…今日に限って携帯忘れちゃったんです…』
と言って断っていたのが聞こえました。
その女性は本当に携帯を忘れたのかも知れません。
確かめたわけではないので分かりませんが、おそらくウソでしょう。
文字で起こしたので状況が伝わらないのですが、周りから失笑を買っていた時点で反応が悪いことは明らかなので、単純にその男と接点を持つのがイヤだったと思うほうが自然だと思います。
それは何とかしたい!
教えて!!
というわけで、テンポ合わせの方法論をお伝えしていきますが、その前にそもそもそうなってしまう原因から説明しないといけませんね。
順に見ていきましょう!
コミュ障がやりがち…会話のテンポが合っていない要因
コミュ障と言われる人たちがなぜそう呼ばれてしまうのか?
会話のテンポが合わずに『話しづらい…』と思われているから、というのは始めにお話しした通りでしたね。
会話のテンポとは、話すスピードと話の展開のスピードでしたが、コミュ障の人がなぜそこがズレてしまうのか、その原因について深堀りしていきましょう。
話すスピードのズレ
話すスピードが早い/遅い、いずれもあり得ることなんですが、聞いている感じスピードが早い場合が大半なんです。
私もたいがいそうなんですが…
こういうと失礼なんですが、『こ、こ、こ、ここは○○です…』などとどもったり、聞いてて落ち着きがないように感じるパターンですね。
こんな風になってしまうのは、
- 緊張し過ぎている
- 相手にセリフを取られたくないと考えている
- 言いたいことを一度に伝えようとする
おおかた、こんなところだと思います。
私の場合は全部当てはまっていて、緊張し過ぎなのに対しては月並みですが場数を踏んで慣れるしかありません。
また、”相手にセリフを取られたくない”というのはかなりやりがちで、『ここぞ!』と思って取っておいたセリフは相手に取られたくないものです。
お笑いでも、第三者にオチを先に言われてしまうとシラけますよね。要は、そうさせないために早口になっちゃう、というわけです。
そして、言いたいことを一度に伝えようとするのは、先に伝えておかないと忘れてしまうからなんですね(笑)
言いたいことを忘れないためには、メモを取っておくしかありません。
話すスピードが早い原因を3つ挙げましたが、それらを解消すればもう少しゆったり話すことができるようになるでしょう。
また、話すスピードが遅いパターンはあまり聞いたことはありませんが、そういう人たちは
- 話す内容がまとまっていない
- 語彙力(ボキャブラリー)の問題
- 変にカッコつけすぎようと小難しい言葉を選ぼうとしている
のパターンだと思われます。
私も基本的には話すのが早いことが多いのですが、時々スローペースになることもあり、考えてみるとこういった原因だったように思います。
話す内容をまとめることや語彙力の問題は、日頃からの行動によるものですが、カッコつけすぎようとするのは考えを変えてみると良いですね。
相手はあなたの小難しい専門用語とかを聞きたいわけではなく、自分にも分かりやすく話してくれることを期待しているので、誰にでもわかる言葉で話すことを意識したほうが良いでしょう。
話題展開のスピードのズレ
話すスピードよりも少し難しいことになりますが、話題が進む速度が相手のペースと合っていなくて、
みたいに思ってしまうんです。
私もひとりのコミュ障人間として同類とたくさん関わってきましたが、大半は相手への配慮に欠けている印象でした。
つまり、相手が自分の話について来られているか?ちゃんと伝わっているか?それを考えながら話せていないんですね。
例えば、実際に私がしでかした極端な例ですが、中学生の頃保護者向けに進路説明会が予定されていましたが、その日はたまたま親が2人とも多忙な日だったんてす。
それを自分は知っていたので、担任に、
どうしましょう?
とだけ伝えたんです。
当然、理由が何なのか先生には伝わっていないので、『説明不足だ!』と叱られてしまいました。
【親が説明会に来れない】
事実を伝えただけで、来れない理由や代替日候補などを一切伝えようとしていませんでした。
『親が”来れない”って言ってるんだから仕方ないだろう』と考えてたんですが、先生も先生で保護者に伝えるべきことがあるのだから、せめて来れない理由ぐらいは欲しいところ。
それがないと、『もしかしたら、事故に遭って動けないのか?』『単なる希望なのか?』『電話だったら大丈夫なのか?』・・・説明会をする代わりに連絡事項を伝える方法を考えようにも考えられないわけです。
なので、
- 母親が病気がちでその日は父親とともに通院する。
- その通院日がたまたま説明会と重なったため、両親とも参加できない。
- その日で以外なら大丈夫だが、どうすべきか?
説明会が重要と考えている先生の立場を考え、ここまでは最低限伝えておくべきでした。
ただ、この場合でも先生が両親の事情をすでに知っていれば問題なかったのかも知れません。
要は、相手がどこまで知っているのか?
知っていることはあえて再び説明する必要はないけど、知らないことはキチンと伝えて話の前後・流れが分かるように伝えることが大事です。
著名人の経歴の紹介でも、
あり得ない紹介のしかたですが、簡単にはこんな感じなんです。
これだと、いちばん聞きたい功績などの話が全く抜けているので、ダメなことが分かりやすいですね。
話の腰を折ってしまう
もうひとつ、コミュ障の人がやりがちなのが【話の腰を折ってしまう】ということなんです。
テンポとは少し違う気もしますが、話の腰を折ってしまうとそれまで流れるように進んでいた話が歯切れの悪いところでぶった切られてしまいます。
そういう意味では、テンポを崩されたことになるので、あえてここで紹介しておきました。
私も昔はよく犯していたことで、最近では気を付けているんですが、
- 例えばスポーツの話題で盛り上がっているところに、ドラマの話をしたり
- 相手が言いたがっているオチを先に取ってしまったり
腰を折ってしまうと、その瞬間に話し手はトーンダウンして話す気が失せてしまい、あなたに対する印象もだだ下がりです。
よく、『話をかぶせる』とか言ったりしますが、それも話の腰が折れてしまう原因です。
特にこんな風に思ったら、一度相手の話をさえぎることなく聞けているか、振り返ってみると良いでしょう。
そもそも、こうなってしまうのは、
自分の話したい意欲を抑えきれないから
なんです。
その辺りのお話は、次の章で詳しく説明していきます。
というわけで、お待たせしました!
いよいよ、”会話のテンポが合わない”を克服する具体的なトレーニングを紹介します。
コミュ障でもできる!会話のテンポ合わせのトレーニング
会話のテンポが合っていないだけで男としてナシになる可能性が高いなんて、チョット怖いことですよね。。
というわけで、効果的な対策法を紹介しましょう。
シャドーリスニング
これは完全に私の造語なんですが、
- 人の話を聞くトレーニング
- 人の話に合わせるトレーニング
の2つを兼ねていて、トレーニングの時も実際に自分が相手と対峙(たいじ)して会話をするわけではなく、全然関係ない第三者の会話を聞きながら実践するものです。
やり方は、聞こえてきた話し声を集中して聞き、そのスピードに合わせて相槌や反応のしかたを考えます。そして、あなたが話すときも相手の話すスピードに合わせて頭の中で話します。
雑踏の中、電車の中、カフェの中、・・・
あらゆるところで会話が聞こえてきますが、しばらくあなたの近くで聞こえてくる会話を聞いてトレーニングしてみてください。
その時ですが、当然ながら相手が話している内容に沿った内容で話すことをイメージします。
どうしても聞えてきた会話の内容に興味がわかず、返答に苦しんでも大丈夫です。トレーニングですから。
そんな時は家に持ち帰って模範解答をググってみて、『あの時、こんな風に返せば良かったのか!』という気付きがあればトレーニングは成功です!
ちなみに私は、気付いた時にこのトレーニングをやっていました。
だいたい、1日30分程度だったと思います。
これを1ヶ月くらい続け、早口すぎて相手から聞き返されることが少なくなりました。
また、話をかぶせたり腰を折ったりしてしまう自覚がある人は、
と、話を聞いていてはやる気持ちが出てくると思います。
そこを耐えることが、トレーニングのミソです!!
自分が話したい気持ちをいかにガマンできるか?
一度、話の腰を折らない人の会話を聞いてみると分かりますが、彼らはいつも誰かと会話していても”譲っている”ことが多いですよね。
決して、『俺が!俺が!』という風になりにくい。
自分と相手がほぼ同時に話しだそうとした時、『自分が今話そうとしていることは、相手よりも先に伝えなきゃいけないことなのか?』を考え、答えがNOだったら相手に譲っています。
私の場合、シャドーリスニングを1日30分程度行い、3か月ほど続けました。
そうすると、『話したくてウズウズする!』と思った時でも、自然にブレーキをかけられるようになりました。
あわせて、普段から話の腰を折らず気持ちよく話せるなぁと思った相手を見つけたら、話の要所で発したセリフをそのまま自分のモノにしたのです。
こういった上手い人のちょっとした仕草やセリフをマネするだけでも、その人に似せようとするので効果は倍増します。
『いつも本能的に話したいことが出てきたら真っ先に口を開いている』という人は、もしかしたら知らず知らず誰かの話の腰を折っているかも知れません。
一気に説明したので、簡単にやり方・注意点をまとめておくと、
自分のテンポと似た人から慣れる
先ほどのシャドーリスニングに慣れたら実際に相手と会話をしていくんですが、その時の相手はあなたと会話のテンポが似ている人を選んでください。
話すスピードと、話題が進むスピード。
これが似ている人どうしって無意識に仲良くなっていることが多いので、あなたのお友達が良いと思います。
ただ、お友達なので普段は無意識なのだと思いますが、あえて『彼(彼女)のテンポはどうなのかな?』って研究してみます。
すると、
話すスピードは似てるけど、話の展開は相手のほうが早いかな…
など、テンポが似ていても少し違ったところもあったという気付きもあるかもしれません。
何人か相手に研究してみてパターンが分かったら、あなたが苦手だと思っている人を相手に話してみてください。
もちろんそのときも、”話すスピード”と”話題展開のスピード”の両方を意識してみてどちらのほうが自分と合っていないのかを研究してみます。
そして、すでにシャドーリスニングを繰り返していればある程度相手に合わせることもできるはずなので、相手に合わせてみて相手の反応が良くなったかどうかを見てみましょう。
少し意識をするだけでテンポを合わせられるなら、繰り返し話をしていくうちにその相手への苦手意識も薄れてきます。
ただ一方で、どう頑張っても合わせられない、合わせられても自分がしんどくなる、とかであれば、割り切ることも大切です。
万人に合わせられる人って、そうそういませんから。
私は話しやすいと思った人、話しにくいと思った人、それぞれ最低10人をサンプルにしました。
それを通じて、自分は話(の展開)を急かされるのがニガテということが判明。
逆に、話すスピード自体はちょっとの意識で相手に合わせられます。
話すスピードを合わすだけで、相手が明らかに話にノッてきやすくなったことが分かります。
※感覚の話なので、文面にすると難しいですが…
そして、一方でどうしても話の展開を急かしてくる人とは割り切って距離を置くことで、相手に気を遣いすぎないという点で自分の気持ちがラクになったという利点もありました。
なので、この節のまとめとしては、
まとめ
見た目の印象でパスした後、次に立ちはだかるのが会話の壁。
なかでもお伝えした会話のテンポは話の内容どうこう以前の問題ですが、テンポ一つでOUT!になりかねない重要なもので、女性の6割が重要視しているほどです。
そして、そもそも会話のテンポとは、
- 話すスピード
- 話題展開のスピード
この2つで、コミュ障の人の話し方を聞いているとそれがズレていることが割とハッキリ分かります。
そして、その2つの他にも”話の腰を折ってしまう”ということもやりがちで、それを一度やってしまうだけで相当なイメージダウンにつながることもお話しました。
それを少しでも改善するためのトレーニングとして、『シャドーリスニング』『テンポが似た者から慣れる』ということを紹介しました。
会話は人格がにじみ出るものですので、なかなか一朝一夕にはいきませんが、根気よく続けられればテンポ合わせのコツもだんだん身に付いてくると思います。